白いタグに4つのステッチ、指先が分かれたタビブーツ。メゾン マルジェラは、ロゴを大きく出さなくても「あ、マルジェラだ」とわかる、ちょっと不思議なブランドです。
この記事では、ブランドとしてのメゾン マルジェラについて、特徴や名作アイテム、タグの数字の意味、時代ごとの違いをまとめました。僕が実際に持っているアイテムも、近いうちにこの記事で紹介する予定です。
デザイナー本人の生い立ちや歴史は、人物編の記事でまとめています。

メゾン マルジェラの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド名 | メゾン マルジェラ(Maison Margiela)。2015年までは「メゾン マルタン マルジェラ」 |
| 創業 | 1988年 |
| 創業者 | マルタン・マルジェラ、ジェニー・メイレンス |
| 本拠地 | フランス・パリ |
| 親会社 | OTBグループ(2002年〜) |
| クリエイティブ・ディレクター | グレン・マーテンス(2025年〜) |
| 主なライン | メゾン マルジェラ、MM6 メゾン マルジェラ |
| 有名なアイテム | タビ、レプリカ(ジャーマントレーナー)、5AC、グラム スラム、香水「レプリカ」 |
メゾン マルジェラの3つの特徴
1. 服を作り変える「脱構築」
服を一度ばらして、裏地や縫い代、肩パッドのような「本来は見えない部分」を表に出したり、古着や日用品を作り変えたりするのが、マルジェラの大きな特徴です。完成した服なのに、どこか作りかけのようにも見える。その少しの違和感が、マルジェラらしさです。
2. 名前を出さない「匿名性」
真っ白なタグ、顔を見せないデザイナー、マスクで顔を隠したモデル。マルジェラは、名前やロゴではなく、服そのものを見てほしいというブランドです。今のキャンペーンでも、このテーマは大切にされています。
3. 白
お店の内装や家具を白い布や白いペンキで覆ったり、スタッフが白衣を着ていたりと、白はマルジェラを象徴する色です。古い家具やブーツを白いペンキで塗りつぶす表現は、今のコレクションにも受け継がれています。
タグの数字の意味(0〜23)
マルジェラのタグには0から23までの数字が並んでいて、そのアイテムが属するラインの数字に丸がつけられています。この数字のタグが使われ始めたのは1997年ごろで、それまでのタグは何も書かれていない真っ白な布でした。
| 数字 | ライン |
|---|---|
| 0 | アーティザナル(古着や素材を手作業で作り変えた一点物。0と10の両方に丸があればメンズ) |
| 1 | レディースのコレクション |
| 3 | フレグランス(香水) |
| 4 | レディースのワードローブ(ベーシックな服) |
| 6 | MM6 メゾン マルジェラ |
| 8 | アイウェア |
| 10 | メンズのコレクション |
| 11 | アクセサリー(バッグ・小物) |
| 12 | ファインジュエリー |
| 13 | オブジェ・出版物 |
| 14 | メンズのワードローブ(ベーシックな服) |
| 22 | シューズ |
古着で買うときは、まずこの丸の位置を見ると、どのラインのアイテムかがわかります。メンズの服なら「10」か「14」に丸がついていることが多いです。
ちなみに、タグを留めている4つの白いステッチは、着るときに切ってもいいものです。でも、あえて残して「マルジェラの目印」にしている人も多いです。
メゾン マルジェラの名作アイテム
タビ
1988年のデビューショーから続く、マルジェラの代名詞。日本の足袋から生まれた、つま先が親指とそれ以外に分かれた形の靴です。今はブーツだけでなく、ローファーやバレエシューズ、スニーカーなど、いろいろな形のタビが作られています。
レプリカ(ジャーマントレーナー)
もとになった古着を、そっくりに作り直す「レプリカ」シリーズ(1994年〜)。中でも有名なのが、ドイツ軍のトレーニングシューズをもとにしたスニーカー、通称「ジャーマントレーナー」です。シンプルなレザーとスエードの組み合わせで、どんな服にも合わせやすいのが人気の理由です。
5AC
2016年春夏、ガリアーノ期に登場して、今ではメゾンの定番になったバッグ「5AC」。名前は、フランス語で「バッグ」を意味する「SAC」を、数字とアルファベットで書き表したものです。最近は、広げると旅行用のバッグ、たたむと普段使いのバッグになる、やわらかい「5AC ソフト」も登場しています。
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グラム スラム
ふっくらとキルティングされた、クッションのようなバッグ。2024年秋冬の「アイコンズ コレクション」では、刺しゅうを施したモデルも発表されています。
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香水「レプリカ」
「レイジー サンデー モーニング」や「ジャズ クラブ」など、誰かの思い出の場面を香りで再現したシリーズです。服のレプリカと同じように、ラベルには「いつ・どこの」記憶なのかが書かれています。
ヒールレス
かかとのヒールが隠れているような、不思議な形のアーカイブシューズ「ヒールレス」。最近のコレクションでは、ミュールやパンプス、ウエスタンブーツにもアレンジされています。
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時代ごとの違い:マルタン期・ガリアーノ期・マーテンス期
| 時期 | デザイナー | 特徴 |
|---|---|---|
| 1988〜2009年 | マルタン・マルジェラ | 脱構築、アーティザナル、白タグ。ブランド名は「メゾン マルタン マルジェラ」 |
| 2009〜2014年 | デザインチーム | 名前を出さないチームで運営。マルタン期のスタイルを受け継ぐ |
| 2014〜2024年 | ジョン・ガリアーノ | 2015年にブランド名が「メゾン マルジェラ」に。ドラマチックなアーティザナルや、5AC・グラム スラムなどのバッグ |
| 2025年〜 | グレン・マーテンス | アーティザナルとプレタポルテの両方を担当。マスクや白い塗装など、マルジェラのコードを新しく再解釈 |
アーカイブとして人気が高いのは、やっぱりマルタン本人が手がけていた1988〜2009年のアイテムです。古着で探すときは、洗濯表示などに「Maison Martin Margiela」と書かれていれば2015年より前のもの、さらにタグが真っ白なら1997年ごろより前のもの、というのがひとつの目安になります。

ガリアーノ期:アーティザナル 2024
ガリアーノ期を代表するショーが、2024年1月にパリのアレクサンドル3世橋の下で発表された「アーティザナル 2024」です。陶器のような肌のメイクや、体のラインを強調したコルセットが大きな話題になりました。
映像:YouTube(Maison Margiela 公式)
マーテンス期:2027年春夏
グレン・マーテンスによる最新作は、2026年9月29日に発表された2027年春夏コレクション。ロックやグランジの空気をまとったレザーやフレアデニムに、花柄のシルクシャツを合わせた、強さとやわらかさが同居したコレクションです。
映像:YouTube(Maison Margiela 公式)
MM6 メゾン マルジェラとの違い
MM6は、タグの「6」からきた名前のラインです。もともとはレディースのラインとして始まり、メインのメゾン マルジェラよりもカジュアルで、毎日着やすい服が中心。価格も少し手に取りやすくなっています。
マルジェラらしいデザインを気軽に取り入れたいなら、まずはMM6から入るのもおすすめです。
メゾン マルジェラはどこで買える?
新品は、公式オンラインストアや直営店、セレクトショップで買えます。マルタン期のアーカイブを探すなら、メルカリなどのフリマアプリや古着屋がメインになります。
アーカイブ古着の探し方や、偽物を避けるポイントは、こちらの記事でまとめています。

まとめ
メゾン マルジェラは、タビやレプリカのような名作を大切にしながら、デザイナーが変わるたびに新しい表情を見せてきたブランドです。マルタン期のアーカイブから最新のコレクションまで、どの時代にも「名前より服を見てほしい」という考えが流れています。
人物編とあわせて読むと、ひとつひとつのアイテムの背景がもっと楽しめると思います。

アイキャッチ画像:Tyler Merbler(CC BY 2.0)/Wikimedia Commons

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